CVR(コンバージョン率)とは?CTRとの違いや基礎知識を解説!

CVR(コンバージョン率)とは?CTRとの違いや基礎知識を解説!

公開日:2022/9/22
 最終更新日:2024/9/30

「CVRって何?どのように設定すべきなの?」
「CVRとCTRの違いが知りたい」

ホームページを運営していく上で欠かせない指標の1つにCVR(コンバージョン率)があります。

ここでは、CVRとは何なのか、CTRとの違いと覚えておくべき基礎知識について解説します。
本記事を読めばCVRについて理解できるはずですので、ぜひ参考にしてください。

なお、ホームページ作成をご検討なら、Wepageをご検討ください。


01CVR(コンバージョン率)とは?

CVR(コンバージョン率)とは?

CVRとは、Conversion Rateの略称であり、主にWebサイトやECサイトにおけるCV(コンバージョン)の割合を示す指標です。
CVは商品・サービスの購入や申し込み、資料請求や問い合わせといったWebサイトで定めた成果を指します。

例えば、月間アクセス数が1万PVのWebサイトで、1ヶ月に10回資料請求が発生したとしましょう。
この場合、CVRは0.5%と判断できます(具体的な計算式は後述します)。

CVRはSEOとWeb広告に深く関係しています
SEOがうまくいっていなければ検索上位に表示されず、コンテンツへのアクセスが少ないので、成果も出にくくなるでしょう。
また、Web広告をどれだけ出稿したとしても、コンテンツとの乖離性が高ければCVRは低くなります。

そのため、

  • SEOの観点:コンテンツ力を高めてニーズに合わせた商品・サービスを提供して、CVRを高めていく
  • Web広告の観点:コンテンツを求めるユーザーが興味引くような打ち出し方と、それに見合ったコンテンツを提供してCVRを高める

以上の考え方が重要です。

CVRはアクセス以外にもクリック数を基準とする場合があり、目安や目標とする数値が異なる点に注意が必要です。
まずは自社サイトでどのくらいのCVRなのかを調べて、平均値なのかどうかを判断してみると良いでしょう。

1-1.CVRの計算式を紹介

CVRの計算式は以下の通りです。

  • CVR = CV数(成約数) ÷ PV数(アクセス数) × 100

先ほどの月間アクセス数が1万PVのWebサイトを当てはめると、

  • 50回(月間資料請求数) ÷ 1万PV(月間アクセス数) × 100 = 0.5%

以上のような計算で、CVRを算出できます。

ただし、今回はPV数(アクセス数)を基準としましたが、より信頼できるデータとして算出するならセッション数を用いたほうが良いでしょう。

セッション数はサイトに訪れた回数で、1度に複数のページを閲覧しても数値は「1」とカウントされます。
そうすると、1人のユーザーに対してCVがされているかどうかがわかるため、企業によってはセッション数を基準にしている場合があります。

CVRと一言でいっても、計算にどのような数を当てはめるのかによって数値が変わってくる点は把握しておきましょう。

1-2.具体的な計算の例

上記を踏まえて、より具体的な計算の例を出してみましょう。

例えば、検索エンジンの広告枠にバナー広告を出稿し、クリック数を基準として、広告先にある商品の購入がCVだと設定します。
バナー広告が1,000クリック、商品購入が10個だとすると

  • 10個(商品購入数)÷ 1,000回(広告クリック数)× 100 =1%(CVR)

以上のように、バナー広告のCVRは1%だと判断可能です。

また、先ほど例とした月間アクセス数が1万PVのWebサイトで、今回はセッション数を基準にしてみます。
セッション数は7,500だと仮定し、資料請求数が50回あったとすると

  • 50回(資料請求数)÷ 7,500回(セッション数)× 100 =0.7%(CVR)

このように、アクセス数を基準にした場合のCVRである0.5%よりも数値が高くなります。


02CTRとの違い

CTRとの違い

CVRと混同しがちな指標の1つがCTR(Click Through Rate)です。
CTRは、広告や検索結果で表示されたうち、どれだけクリックされたかを割合で示す数値で、

  • CTR(クリック率) =クリック数 ÷ 表示回数(インプレッション数)× 100

で算出できます。

例えば、リスティング広告を出稿し、ユーザーに1,000回表示されたうち30回クリックされたとします。
その場合、

  • 30回(クリック数)÷ 1,000回(表示回数)× 100 =3%(CTR)

となり、CTRは3%と判断可能です。
以上をふまえると、

  • CTR・・・広告やWebサイトが表示された回数に対してクリックした割合
  • CVR・・・広告やWebサイトのクリック率に対して成約条件を達成した割合

CTRとCVRでは、このような違いがあるので理解しておきましょう。


03注意!アクセス解析ツールの設定によってセッションの定義は異なる

注意!アクセス解析ツールの設定によってセッションの定義は異なる

CVRを数値化していく際に注意したいのが、アクセス解析ツールによってセッションの定義が異なる点です。

例えば、Googleアナリティクスの標準設定では、1セッションは30分とされています。

1人のユーザーが30分後に改めて訪れた場合、セッション数は「2」になるので、CVRの分母であるセッション数やアクセス数は増えてしまいます。

このように、アクセス解析ツールによってセッションの定義は異なるので、自社ではどのような計測をするのかは明確にし、共有しておいたほうが良いでしょう。


04正しく定義するために決めるべきこと

正しく定義するために決めるべきこと

CVRを正しく定義するには、コンバージョンを明確にするのが大前提です。

その上で、どこからどこまでの期間を計測するのか決め、データを抽出していく必要があります。
また、CVRについての情報共有をチーム内で行っていくことも大切です。

では、それぞれの重要なポイントについて詳しく見ていきましょう。

4-1.運営目的に応じて何をコンバージョンとするか明確にする

WebサイトやECサイトがどのような目的で運営しているのかによって、コンバージョンが変わります。

例えば、ECサイトなら商品・サービスの購入がコンバージョンになるでしょう。
商品・サービス購入の他にも資料請求やお問い合わせ数、会員登録やメルマガの購読申込数もコンバージョンになります。

ただし、サイト内で成約に関わる2つ以上の選択肢があった場合、コンバージョンとしてはどちらも含んだ内容をコンバージョンとするか、そうではないかの明確化が必要です。
例えば、ホームページ作成サービスにおいても、全てのプランを含んだコンバージョンを計測するのか、特定のプランのみ該当するのかで難易度は変わります。

そのため、運営目的に応じて何をコンバージョンとするのか決めるようにしましょう。

4-2.どの期間のコンバージョンを計測するか

1人のユーザーが訪問してからコンバージョンに至るまでの期間についても定義づけが必要です。
GoogleアナリティクスとGoogle広告を例にするとわかりやすいかもしれません。

Googleアナリティクスでは、1回の訪問内でコンバージョンしたかを定義とし、CVRを算出しています。
例えば、1度目の訪問でコンバージョンに至ると、1セッションで1コンバージョンと見なします。

しかし、1度目の訪問ではコンバージョンせず、2度目の訪問でコンバージョンした場合、これは2セッションで1コンバージョンとみなされるのです。

一方、Google広告では、広告をクリックしてから30日以内であれば、1セッション1コンバージョンとして計測します。
9月1日に広告をクリックしたユーザーが、9月20日に広告内のサイトにてコンバージョンが発生した場合、「9月1日にコンバージョンが発生していると判断できる」として、9月1日にコンバージョンがカウントされるのです。

そうなると、GoogleアナリティクスとGoogle広告では、コンバージョンの計測期間が異なるため、混乱してしまう方も多いでしょう。
それぞれの計測期間を同一にする、あるいは異なる計測期間であることを把握しておくことが必要になります。

4-3.関係者での認識を正しく揃えておく

これまでの話をふまえると、コンバージョンの定義づけは複雑であり、データを正しく認識する必要があるとお分かりいただけたのではないでしょうか。
特にチームでCVRのデータを活用する場合、関係者間でコンバージョンの認識を揃えておかなくてはいけません

まずは、自社内でのCVRの分母・分子となる数値を何にするのか決めておきましょう。
その上で、競合や同業の平均CVRを見る際に、自社と分母・分子が同じなのか、比較となるデータなのかを判断してください。


05CVRの平均値(目安)

CVRの平均値(目安)

5-1.商品・サービス購入・申込の場合

商品・サービス購入・申込の場合は、決済が発生するため、無料相談や問い合わせよりCVRの平均値は低くなります

指標 CVR平均値
広告のクリック数 1~2%
サイトのアクセス数 0.1~0.2%

サイトへのアクセス数を指標とした場合は、0.1〜0.2%となるため、多くの収益をあげるには、アクセス数増加の対策も行わなければなりません。

5-2.無料相談・問い合わせの場合

無料相談・問い合わせをコンバージョンとする場合、ユーザーがアクションを起こしやすくなり、CVRも上昇傾向にあります。

指標 CVR平均値
広告のクリック数 3~5%
サイトのアクセス数 0.3~0.5%

5-3.ホワイトペーパープレゼントの場合

情報やノウハウを詰め込んだレポートを無料ダウンロードできるようなホワイトペーパー系のCVRは、最も高くなります

指標 CVR平均値
広告のクリック数 5%
サイトのアクセス数 0.5%

ホワイトペーパーは掲載側がメリットを与える形になるため、ユーザーのアクション誘導を起こしやすいのが特徴です。
そのため、広告クリック数だけでいうと5%以上のCVR平均値を出すことができるでしょう。

5-4.業界別の平均CVR

CVRは商材やコンバージョンのポイントをどこにするのかによっても変わりますが、業界によっても異なります
また、年代によってもCVRが変わってくるため、これまで多くの会社が発表している統計データをまとめて見ていきましょう。

まずは、MarketingSherpaが2012年に発表した平均CVRです。

業界 平均CVR
専門職・ファイナンシャルサービス 10%
メディア・出版 10%
教育・医療 8%
ソフトウェア・クラウド 7%
技術機器・ハードウェア 5%
製造業・包装品 4%
旅行・サービス業 4%
小売・EC業 3%
非営利組織 2%
その他 8%

2012年時点では、専門職やメディア・出版系のCVRが最も高い数値を示しています。
では続いて、Contentsquareが発表した2021年の業界別平均CVRです。

業界 平均CVR
買い物 5%
美容・健康 3.2%
ファッション 2.6%
旅行 2.4%
家電 1.2%
金融 1.0%
高級品 0.8%
通信 0.7%
BtoB 0.6%
自動車 0.4%
その他 1.82%

2021年になると、一般ユーザーの消耗品に関する広告やサイトへのCVRが高く、ECサイト事業の普及化が見られます。
最後に、WordStream社が2022年5月に発表したデータを見てみましょう。

業界 平均CVR
出会い&パーソナルズ 9.64%
法務 9.64%
消費者サービス 6.64%
自動車 6.03%
雇用サービス 5.13%
金融・保険 5.10%
旅行・ホスピタリティ 3.55%
教育 3.39%
産業サービス 3.37%
健康・医療 3.36%
BtoB 3.04%
テクノロジー 2.92%
電子商取引 2.81%
家庭用品 2.70%
不動産 2.47%
養護団体 2.96%

それぞれの調査データで、業界をどのジャンルに分類するのかが曖昧なため、年度毎の推移としては少し信用性に欠けています。
ただし、現在のCVRの高さから、ユーザーのニーズの変化が見えてくるのではないでしょうか。


06GoogleアナリティクスでのCVRの設定方法

GoogleアナリティクスでのCVRの設定方法

現行のGoogleアナリティクス(UA)では、

  • Webサイト全体
  • 流入元別
  • ランディングページ別

以上のCVRが確認できます。
設定方法は以下の通りです。

  1. Googleアナリティクスの「管理」→「目標」を開く
  2. 「新しい目標」→「テンプレート」か「カスタム」をクリック
  3. コンバージョンの種類を決め、「続行」をクリック
  4. コンバージョンの種類に沿って指標を設定して保存

コンバージョンの種類は、以下の4種類から選びます。

種類 コンバージョンとしてカウントする条件
目標URL 特定のページに遷移したとき
ランディングページや購入完了画面ページなど
訪問の滞在時間 指定したページに一定時間滞在したとき
ページビュー数/スクリーンビュー数 訪問者が一定数のページ・スクリーンを表示したとき
イベント 定義した操作をしたとき

以上を設定したら完了なので、実際にどのくらいの数値になるのかを検証していきましょう。


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08まとめ

今回はCVRとは何か、CTRの違いと基礎知識について解説しました。

CVRはコンバージョン率の略称で、PV数に対してどれだけCV(コンバージョン)したかを示す割合です。
CVRが高いほど、成約までの導線やアプローチが効率よくできていると考えていいでしょう。

ただし、アクセス解析ツールによってCVの定義が異なるため、しっかりと設定をしておかなくてはCVRの信頼性も低くなってしまいます。

また、CVRは提供する媒体によっても平均値が変わるので、あくまで目安として把握しておきましょう。

ぜひCVRを理解して、ホームページ運用に活かしてみてください。


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