ホームページに必要なドメインの取得・移管とは?
ホームページを運用するうえで必要不可欠となるドメイン。よく分からないという方のためにドメイン取得・移管について簡単にご紹介。
2020/11/25
公開日:2021/6/11
最終更新日:2024/8/9
ホームページ制作サービスのオプションに、オリジナルの名前を付けたURLを公開できる「独自ドメイン」設定があります。
公開後は簡単に変更できないので「どのドメインを選べば良いのか?」、「ドメインによる違いがあるのか?」と悩む方は少なくありません。
また、「.com」や「.net」以外にも、「.jp」など取得できるドメインには様々な種類があり、迷ってしまいます。
今回は、新しくホームページを開設しようとお考えの方に向けて、ドメインの種類と違いについて解説します。
ドメインの特徴や選び方のポイントについても紹介していますので、合わせてお読みください。
なお、ホームページ作成をご検討なら、Wepageをご検討ください。
ドメインは、インターネットでサーバーを特定するのに使用します。
インターネットで稼働しているサーバーは、設定された「IPアドレス(例:18.65.116.4などの数値)」を使って通信できます。
IPアドレスを使った通信はコンピューターの得意な分野ですが、人間にとっては一見しただけでは覚えづらく、不向きな方法です。
そこで覚えやすいように「IPアドレス(18.65.116.4)」を「wepage.com」のような名前に変換できるようにしたのがドメインの仕組みです。
具体的には、本来「https://18.65.116.4/blog/」としてサーバーと通信するURLを、「https://wepage.com/blog/」のように覚えやすいURLに変換してくれるのがドメインの役割です。
URLの他にも、メールアドレス「mail@wepage.com」(@マーク以降の部分)でもドメインは利用されています。
ドメインは任意の文字列を指定して取得できますが、自身では決めることができない部分もあります。
例えば、「wepage.com」ドメインの場合、「.com」 部分は変更できません。
この、変更できない部分は「トップレベルドメイン」と呼ばれています。
現在では、管理している団体によってトップレベルドメインは3種類に大別されています。
種類 | 管理団体 | トップレベルドメイン |
gTLD (generic Top Level Domain) |
国際的な非営利法人「ICANN」が管理するドメイン | .com/.net/.org/.info/.biz |
ccTLD (country code Top Level Domain) |
各国1つの条件で割り当てられたドメイン。日本国内では「株式会社日本レジストリサービス(JPRS)」が管理 | .jp/.uk/.us/.tv/.cc など |
sTLD (sponsored Top Level Domain) |
業界用にスポンサー組織を設立して管理を行うドメイン | .aero/.mobi/.musium など |
独自ドメインを利用するには、管理する団体に承認された業者「レジストラ」や、再販業者「リセラー」に申請して取得を行います。
また、ドメイン取得は自動化が進んでいて、申請書類が不要なドメインであればオンラインで申請が可能です。
申請にかかる費用はトップレベルドメインによって差がありますが、年間1,000円~10,000円程度をクレジットカードで支払うことで、即時に独自ドメインが取得できます。
世界中の誰でも取得可能なgTLDドメイン(Generic Top Level Domain/分野別トップレベルドメイン)の一種で、ネットワークサービス事業者向けに用意されたトップレベルドメインです。
申請に必要な書類や資格の必要がないため、ネットワークに関連しない事業者や個人でも取得が可能です。
国内では、ニュース系サイトの「東洋経済オンライン」や「Gigazine」、映画館を運営する「109シネマズ」、少年漫画「少年サンデー」の公式ページなどで利用されています。
世界的に認知されているドメインなので、取り扱っている国内の業者も多く、取得や更新にかかる費用も安価なのがメリットです。
また、同じgTLD管理の「.com」や「.org」と比較して、利用されているドメイン数は少ないため、申請が可能な名前が残っている可能性があります。
しかし、古くから使われているドメインなので、短い名前などはすでに他の事業者に取得されているのがデメリットとして挙げられます。
「.net」と同じgTLDの一種で、商用サービス事業者向けに用意されたトップレベルドメインです。
世界的に商用ウェブサイトに利用されているケースが多く、ホームページのURLで最も見かけるドメインです。
国内では、通信事業の「KDDI」や、新聞社の「朝日新聞デジタル」、「産経ニュース」、ホームセンターの「CAINZ」など様々な業種サイトで利用されています。
多くのサイトで利用されているため、検索エンジンや利用者に与える印象として無難で間違いのないドメインであることがメリットです。
しかし、取得数が圧倒的に多いため、申請できる名前を探すのが難しいというデメリットがあります。
日本のccTLD(Country Code Top Level Domain/国別トップレベルドメイン)に割り振られたトップレベルドメインです。
「法人」「個人」に関わらず申請可能であるため、日本に居住していれば誰でも取得できます。
国内企業や組織のホームページでは「.co.jp」が多く取得されていましたが、現在ではURLを短くする効果を狙った「.jp」の利用が増えてきました。
事例としては家電製品の「パナソニック」や自動車の「トヨタ自動車」など、国内の大企業などのホームページで利用されています。
日本のサービスやホームページであることをアピールできるメリットがあります。
しかし「.com」同様、既に多くのドメインが取得されているため、申請可能な名前を探すのが難しい点がデメリットとして挙げられます。
2001年に追加されたgTLDの一種で、ニュースなどの情報発信メディアに用いられることの多いトップレベルドメインです。
information(情報)という意味を持っており、2024年2月時点では約392万件の登録数があります。
ドメイン取得サイト | 取得費用 | 更新費用 |
お名前.com | 280円 | 1,628円 |
ムームードメイン | 585円 | 2,029円 |
上記は目安であり、「.info」以前のドメイン名によって価格が変動しますので、おおよそ300~1,000円ほどかかるものと覚えておけばよいでしょう。
ただし、価格が安くて取得費用が容易だからこそ、スパムやフィッシングサイトに使われることが多く、「.info」の印象はあまりよくありません。
「.info」を利用するとSEOで不利ということはありませんが、ユーザーから警戒される可能性がある点は十分に理解しておきましょう。
2014年にgTLDに追加された「仕事」や「作品」などを表すトップレベルドメインです。
「.com」や「.net」と比較して利用されている数は少ないですが、国内では人事採用やオーディション関連のサービスを提供している事業のホームページで使われています。
その他にも、史跡の「大阪城公園」や、スキルシェアサービスの「MENTA」など、幅広い事業内容で取得されています。
人材派遣や就労支援など、「働く」イメージに関連した事業に利用した場合に、印象に残りやすいというメリットがあります。
しかし、同じ2014年には「.works」ドメインも追加されており、同じ名前が取得されていた場合、重複して紛らわしいドメイン名になってしまうデメリットがあります。
2014年にgTLDに新しく追加された、英単語や固有名詞ではなく「アルファベットの組み合わせ」という珍しいトップレベルドメインです。
XYZを「三次元座標」という意味で捉えて、3Dプリンター事業などのホームページで利用されているケースがあります。
.xyzドメインで良く知られているのは、検索エンジンで有名なGoogleの親会社「Alphabet」のウェブサイトです。
アルファベットの末尾ということで、単語から連想されるイメージも無いため、どんな目的のサイトでも使えるのがメリットです。
2015年にgTLDに追加された、「場所」や「会場」などを表す比較的新しいトップレベルドメインです。
国内では、「YANE」などカフェやレストランなどのサイトや、プリントサービスの「らいぶろ」など様々な業種のホームページで実績があります。
貸会議室やホールレンタルなど、「イベント」や「興行」をイメージに関連した事業に利用した場合に、印象に残りやすいメリットがあります。
しかし、2年目以降のドメイン更新費が他ドメインと比較して高め(4,000~5,000円)に設定されており、維持管理コストという面でデメリットがあります。
2014年にgTLDに追加された、「東京」を表すトップレベルドメインです。
「大阪」を表す .osaka や「名古屋」の.nagoya 、「沖縄」の .okinawa など他の地域を表すドメインも複数追加されています。
東京に実店舗を置く飲食店やクリニックなど、小売業を中心にホームページのドメインとして多く取得されています。
店舗以外にも雑誌「Hanako」のウェブサイトでも利用されており、東京の情報配信を目的にするウェブサイトに利用するメリットもあります。
しかし、「.osaka」や「.okinawa」などエリアを連想させるドメインの名称になるため、地域に限定されてしまうというデメリットがあります。
「.com」や「.net」と同じく、gTLDの初期から追加されている、非営利組織(NPO)向けのトップレベルドメインです。
Googleに登録されているドメインとしては「.com」に次いで2番目に多く、世界的に利用されているドメインのひとつです。
国内でも「日本国際協力センター」や「日本アンチ・ドーピング機構」など、公益法人や財団法人のホームページで取得されています。
また、「Organization(組織、団体、機構)」の略になっていますが、特に人数制限や提出を求められる資料もないため、組織である必要はありません。
誰でも取得が可能で、2年目以降の更新費用も「.co.jp」や「.jp」よりも安く、管理コストの面ではメリットがあります。
しかし、表示されるウェブサイトに「公的機関」や「政府組織」的な印象を利用者に与えてしまうというデメリットがあります。
トップレベルドメインには、誰でも登録できるものと登録に条件があるものがあります。
「.com」「.net」などは世界中の誰でも無条件で登録できるドメインで、取得が容易です。
汎用JPドメイン「.jp」も日本国内であれば誰でも登録可能です。
一方で、登録に条件があるドメインとしては、法人専用の「.co.jp」、教育機関専用の「.ac.jp」などがあります。
これらのドメインの取得を希望する場合は、法人であることや教育機関であることを証明する書類の提出が求められます。
ホームページの印象付けに寄与する「トップレベルドメイン」を選定するのは、独自ドメインの名前を決めるのと同じくらい重要です。
例えば、「coffeeshop.tokyo」で表示された喫茶店のホームページの所在地が「大阪」だとしたら、利用者は混乱するはずです。
このように、「トップレベルドメイン」は、利用者がサイトに抱くイメージにも大きな影響を与えます。
他にもドメインを選ぶ際のポイントになる部分があるのでご紹介しましょう。
「トップレベルドメイン」には、取得が限定されるドメインがあります。
例えば、「.co.jp」ドメインは国内の法人である取得資格があるため、個人では取得できません。
実際に企業として活動しているのであれば、「.co.jp」は誰でも取得ができる「.com」や「.jp」ドメインより信頼感を得られます。
また、グローバルに世界中に情報を配信する目的であれば、国際的にも利用が多い「.com」や「.net」の方が有利にイメージされる可能性があります。
他にも、地域に密着したサービスや事業が目的であれば、「.tokyo」や「.okinawa」などの地域を表したドメインがユーザーに有利に働く可能性があります。
このように、ホームページの目的に合わせて「トップレベルドメイン」の種類を十分に検討しましょう。
「トップレベルドメイン」の種類によって、支払うコストが変わってきます。
ドメインを申請する際、キャンペーンやサーバーとのセット契約で初年度は無料や低価格で契約ができる場合もありますが、2年目以降の更新から通常の費用が必要になります。
例えば、「.co.jp」ドメインの場合には約7,700円、「.com」ドメインの場合には2年目以降に約1,400円と、取得したドメインによって更新時の費用に差があります。
ドメイン取得・更新時の費用例
ドメイン | .net | .com | .co.jp | .jp | .work | .site | .tokyo | .org |
取得時 | 0円 | 0円 | 2,040円 | 330円 | 250円 | 40円 | 80円 | 860円 |
更新時 | 1,628円 | 1,408円 | 7,678円 | 3,124円 | 1,089円 | 4,268円 | 1,628円 | 1,628円 |
取得業者によって多少の差がありますが、多くの場合、更新時の費用は取得時に比べてかなり高くなります。
また、ドメインの更新費用はホームページを続ける限り必要な固定費になります。
キャンペーン価格などに惑わされることなく、長期的にドメインを運用するためのコストも重要なポイントになります。
一点、勘違いしてはいけないのが、SEOに関わることです。
値段が高いトップレベルドメインの方がアクセスを稼ぎやすいのでは?と思う方がいらっしゃいますが、実際にはSEOに直接的に影響することはありません。
ドメインに関しては、基本的には気に入ったものを選ぶというのが正しく、違いがあるとすれば自社で取ったドメインの語呂合わせや印象の違いくらいかと思います。
カタカナで見た時に「●●●●ドットジェイピー」よりも「●●●●ドットコム」の方が収まりが良く見えるということや、.comより.jpの方が日本企業らしさが出るなど。
(※あくまでも記事担当者個人の感想です)
それぞれ感じる印象の違いや目的によって好きなものを選べば良いでしょう。
Googleに登録されているサイトの「ドメイン」を検索してみると、「.com」の圧倒的な登録数が分かります。
ドメイン | Google登録数 ※ | トップレベルドメイン |
.com | 約251.5億 | gTLD |
.org | 約82億 | gTLD |
.net | 約29億 | gTLD |
.jp | 約20.4億 | ccTLD(日本) |
.br | 約17.7億 | ccTLD(ブラジル) |
.de | 約17.4億 | ccTLD(ドイツ) |
.uk | 約11.8億 | ccTLD(イギリス) |
.ru | 約10.9億 | ccTLD(ロシア) |
.fr | 約10.6億 | ccTLD(フランス) |
.it | 約9.3億 | ccTLD(イタリア) |
※Google検索で ”site:” コマンドを利用して表示された結果数(Googleにインデックス登録されたサイトの概数)
「.org」や「.net」との差を考えても、「.com」ドメインの取得率は、今後数年は変わらないと予測できます。
次いで、日本を含めてブラジルやドイツなどに割り振られたccTLDの登録数も多くなっているため、「.com」では申請できなかった名前を自国の「トップレベルドメイン」で取得していると考えられます。
また、2014年以降に新しく追加された「.xyz(登録数:約1.1億)」や「.site(登録数:約7,300万)」、「.tokyo(登録数:約1,180万)」も一定数の登録があります。
このことから、将来的に「.com」以外のドメインを取得するサイトが増えてくると考えられます。
ドメインはホームページのURL以外にも、広告媒体や名刺、商品に印刷する場合もあるため、利用者の目に触れる機会が多くあります。
そのために、ドメインの選定には十分な時間を割いて行うべきです。
特に「.net」や「.com」などの「トップレベルドメイン」は、ホームページを印象付ける要素にもなります。
現在では、「.jp」の他にも「.tokyo」や「.okinawa」など地域性の高い名前や、「.work」や「.site」など多くの種類の「トップレベルドメイン」が申請できます。
また、「トップレベルドメイン」の種類で更新に必要な費用も異なるため、コスト面でもドメインを選定していく必要があります。
ドメインは、「電話番号」や「社名(屋号)」と同じで、一度取得してしまうと途中で変更するのが難しく、長い付き合いになります。
そのため、ご自身以外に利用者にも愛着が感じられる名前をじっくり考えてドメインを取得してください。