ネットショップ開業の基本知識!開業方法と必要なものを紹介
ネットショップ開業について基礎知識から初心者の方にもわかりやすく解説。手順や必要なものからネットショップサービスの比較ポイントまで。
2022/12/23
公開日:2020/11/06
最終更新日:2024/11/20
新型コロナウイルス感染拡大後から、「ネットショップを立ち上げたい」「ホームページで商品を販売したい」との相談が急増しました。
コロナ過で客足が遠のき、売上減少に苦しむ企業・店舗が、ネット販売に商機を見出そうとしています。
これからネット販売をお考えの方に向けて、今ネット販売を始めるべき理由とその方法をご紹介します。
具体的なネットショップ開業の手順などはこちらの記事でご紹介しておりますので、合わせてご確認ください。
なお、ホームページ作成をご検討なら、Wepageをご検討ください。
2022年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は22兆7,449億円と、前年に比べて9.91%増加しました。
新型コロナウイルス感染症が拡大して以降、EC市場は急速に発展し、ここ10年の中では1番の前年比増加率を記録しています。
分野別にみると、BtoC-EC市場の半分以上を占めているのは衣類・生活雑貨・食品などの物販です。
ただし、増減率を見てみると、サービス系分野の伸び率が最も高く、前年比32.43%の増加となりました。
BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)
BtoC-ECの市場規模及び各分野の増減率
2021年 | 2022年 | 増減率 | |
物販系分野 | 13兆2,865億円 | 13兆9,997億円 | 5.37% |
サービス系分野 | 4兆6,424億円 | 6兆1,477億円 | 32.43% |
デジタル系分野 | 2兆7,661億円 | 2兆5,974億円 | -6.10% |
これは、新型コロナウイルス感染症拡大の対策緩和によって、以下のサービスの需要が伸びたことが結果として現れたと言えるでしょう。
1世帯あたりのネットショッピング支出額の推移に関しては、2002年の調査開始以来、過去最多になったと総務省は発表しています。
また、物販EC市場においてスマホECの市場規模も年々増加傾向にあります。
スマートフォン経由の物販のBtoC-EC市場規模の推移
スマホEC | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
スマホ比率 | 39.3% | 42.4% | 50.9% | 52.2% | 56.0% |
市場規模 | 3兆6542億円 | 4兆2618億円 | 6兆2269億円 | 6兆9421億円 | 7兆8375億円 |
上記からわかる通り、近年においてはスマホECの需要とともに伸び率が高いです。
もしこれからネット販売を始めるなら、パソコンだけでなくスマホにも最適化されたネットショップの開設・運用が必須になるでしょう。
EC市場自体はこれからも需要があり、堅実に成長を続けていくはずです。
EC市場が伸びている今、ネットショップ運営への参入をご検討の事業者様も多いでしょう。
全国に届けられる商品を扱っているなら、商圏を広げられるというネット販売における最大のメリットを得られます。
店舗だと商圏が足を運べる範囲のお客様に限られるのに対し、ネットなら日本全国(場合によっては世界中)のお客様に商品を購入してもらえるチャンスがあるのです。
現状では配送可能な商品がないという企業・事業者様でも、ネット販売用に商品が改良できないか社内で検討してみましょう。
ネットショップ運営ができるなら、実店舗とオンラインストアで売上の相乗効果が望めます。
インターネットで販売する方法はいくつかありますが、真っ先に思い浮かぶのは
上記の大手ECモール3社ではないでしょうか。
では、それぞれのECモールに出店しようとした場合、どのくらい費用がかかるのか、特徴と出店・運用にかかる費用とあわせて比較してみました。
楽天市場 | Amazon | Yahoo!ショッピング | |
運営会社名 | 楽天株式会社 | アマゾンジャパン合同会社 | ヤフー株式会社 |
URL | https://www.rakuten.co.jp/ | https://www.amazon.co.jp/ | https://shopping.yahoo.co.jp/ |
特徴 |
テナント型のECモール。2021年の流通総額・利用者数で圧倒的トップを誇る。知名度と集客力が強み。
セールやポイントアップなどの販促キャンペーンも充実しており、商材・価格に競争力があれば開設後すぐの売上も期待できる。 |
フルフィルメント by Amazon(FBA)と呼ばれる独自のシステムを利用すれば、商品の保管、梱包、出荷、配送まで一貫してAmazonが代行。大口出店と小口出店があり、商品数が少なくても出店しやすいのが魅力。 | Amazon・楽天市場よりも出店数の多さでトップを誇る。初期費用・月額費用・売上ロイヤリティが無料なので、コストを抑えて出店可能。 |
初期費用 | 60,000円 | 無料 | 無料 |
月額費用 |
月額費用
▼がんばれ!プラン:19,500円(年間一括) ▼スタンダードプラン:50,000円(半年ごとの2回分割) ▼メガショッププラン:100,000円(半年ごとの2回分割) |
▼大口出店:4,900円
▼小口出店:無料 |
無料 |
売上手数料 |
売上手数料
▼がんばれプラン:3.5%~7.0% ▼スタンダードプラン:2.0%~4.5% ▼メガショッププラン:2.0%~4.5% |
8~15%(商品カテゴリーによる)
*Kindleアクセサリは45% *小口出品は基本成約料100円/件が別途必要 |
無料 |
ポイント原資負担 | 1.0% | なし | 1~15% |
その他費用 |
▼安全性・利便性向上のための費用:月間売上高の0.1%
▼アフィリエイト:アフィリエイト経由売上の2.6%~ |
▼大量出品手数料:対象の出品商品あたり0.05円 ※条件あり
▼返金手数料:500円あるいは販売手数料の10% |
▼キャンペーン原資負担:1.5%~
▼アフィリエイトパートナー報酬原資:1%~50% ▼アフィリエイト手数料:アフィリエイトパートナー報酬原資の30% |
決済手数料 | 2.5~3.5% | なし |
クレジットカード:3.0%~3.24%
PayPay・ヤフーショッピング商品券:3.0% ゆっくり払い:3.24% モバイル支払い4.48% コンビニ決済:150円/件~300円/件 銀行振込決済:150円/件 |
商品登録数 |
▼がんばれ!プラン:5,000点
▼スタンダードプラン:20,000点 ▼メガショッププラン:無制限 |
無制限 | 無制限 |
楽天市場での出店については、その圧倒的な認知度から、出店時の集客力について他のECモールよりも優れています。
ただし、
上記の費用が発生するため、ランニングコストがかかる点は注意しなくてはいけません。
Amazonも知名度や集客力において優れており、出品数に応じて月額費用が変わる点、FBAによる業務効率化があり、コストパフォーマンスに優れたECモールです。
気をつけるべきは売上手数料が8~15%と3社の中では1番高く、事業の拡大に応じたコストが発生します。
最もコストを抑えられるのがYahoo!ショッピングです。
Yahoo!ショッピングは初期費用、月額費用、売上手数料がかからないため、スモールスタートに最適です。
ただし、コストを抑えられる分、出店数が多く、ユーザー数は楽天市場、Amazonに比べて少ない傾向にあります。
競合との差別化や商品の魅力を存分にアピールできないと、安定した売上を作ることは難しいかもしれません。
ECモールへの出店を検討する際には、販売する商品点数や販売予定額、商品を販売したいターゲット層を踏まえた上で、自社に最適なECモールを選択しましょう。
新型コロナウイルス感染症拡大以降、自社ECサイトを立ち上げての、オンラインによる販促活動が広がっています。
それを後押ししているのが、専門知識がなくても簡単にECサイトを作ることができるASP型ネットショップサービスです。
ネット販売に必要な機能が揃っており、少ない負担で手軽に始められます。
ECモールの中の1店舗ではなく、自社の特色を出した独立サイトとして運用可能な点が魅力です。
ここでは、代表的なネットショップサービスとして、
の5つの特徴や費用を比較しましょう。
全てのネットショップ作成サービスが、楽天市場やAmazonといった大手ECモールよりもコストを抑えて開設・運用が可能です。
ただし、大手ECモールのもつ集客力がネットショップ作成サービスにはないため、戦略的な運用を行わなくてはいけません。
もし知名度や商品が売れるまでの費用をできるだけ抑えたいなら、BASE・STORES・メルカリshopsのようなサービスがおすすめです。
上記のサービスは、初期費用・月額費用が無料のプランがあり、商品が売れた時点で手数料が発生します。
それまではコストをかけずに運用ができるので、予算を気にすることなく販売戦略を実施できるでしょう。
すでにある程度の販売実績がある、あるいは売れるまでサポートしてほしいという方は、カラーミーショップがおすすめです。
カラーミーショップは初期費用・月額費用は発生するものの、機能性が充実しておりサポート体制も整っています。
越境ECや実店舗との一元管理を検討するならShopifyがいいでしょう。
Shopifyは多言語対応かつ豊富な決済方法が揃っており、多種多様な国へ販売体制の構築ができます。
このように、各ASP型ネットショップサービスでも特徴が異なり、適した運営方法があります。
自社でASP型ネットショップサービスを利用する際は、目的や販売する商品によって選ぶようにしましょう。
ネットショップ作成サービスの特徴や料金について、より詳しく知りたい方は以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
店舗を持たずネット販売を専業としたり、ネット販売を売上の大きな柱としたりするのであれば、絶大な集客力を誇る大手ECモールへの出店や自社ECサイトの立ち上げも視野に入れるべきです。
しかし、「ちょっと試しに販売してみたい」とお考えの方にはハードルが高いのも事実でしょう。
会社や店舗のホームページとは別に管理・運用の手間が発生するため人手も必要となりますし、どれだけ売上が確保できるか分からない中でそこまでのリソースを割けない、という声も多くあります。
「ネットショップを立ち上げるほどではないけどネット販売してみたい」という方は非常に多くいらっしゃる反面、そのニーズに見合うサービスが少ないのも実情です。
そんな時にお勧めしたい最も手軽に始められるネット販売方法が、「お問い合わせフォームを使った販売」という方法です。
すでに自社のホームページを持っているなら、ホームページ内のフォームで注文を受け付けるのが最も手っ取り早い方法なのです。
ネット販売のためにホームページとは別にECサイトを立ち上げる必要もありませんし、管理・運用の手間も増えません。
一般的な問い合わせフォームではなく、注文受付に特化したフォームにカスタマイズしてホームページに設置しましょう。
入力項目は、商品の発送に最低限必要な「注文商品」、「支払方法」、「お届け先の住所」、「お名前」、「電話番号」を必須項目に設定します。
フォームから注文いただいた後、支払いについて注文者とのやり取りが必要なケースもありますが、販売する商品のラインナップが20種類ぐらいまでであれば、この販売方法で十分対応可能です。
そして忘れてはならないのが決済方法の用意です。
インターネットで購入する際の決済方法としては、クレジットカード決済が主流です。
購入者の利便性を高めるためにも、クレジットカード決済を含め、複数の決済方法を用意しておくのが望ましいでしょう。
クレジットカード会社と個別に契約するのは大変ですが、PayPal(ペイパル)、Stripe(ストライプ)、Square(スクエア)、VeriTrans(ベリトランス)などの決済代行サービスを利用すれば、複数の決済方法をまとめて導入することができます。
また、決済機能が付いたフォームを導入するのも1つの手です。
カスタマイズ可能な注文フォームを、今開設しているホームページに設置することで、決済まで完結できるようになります。
ホームページにフォームがない・カスタマイズできない、決済代行サービスの選定・導入にお困りの場合は、下記のような決済機能付きフォームの利用をお勧めします。
ホームページをお持ちでない、またはリニューアルをお考えの場合は、上記のようなカスタマイズ可能なフォームと決済機能が付いたホームページを導入すると良いでしょう。
今回は手軽に始められるネット販売方法について、おすすめサービスとあわせて紹介しました。
集客力だけに焦点を絞るなら、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングといった大手ECモールで出店するのがおすすめです。
しかし、集客力があるからこそ手数料や費用も高くついてしまうので、低コストで始めるならASP型ネットショップサービスを検討しましょう。
ネット販売は、ハードルが高く専門知識が必要と思われがちですが、現代においては決して難しいものではありません。
専門知識がなくても、簡単かつメリットのあるネット販売が可能なため、ぜひ自社・自身が開設・運用しやすいネットショップを構築してみましょう。