イラストレーターにおけるポートフォリオサイトの必要性とは?作り方や事例などを紹介
イラストレーターのポートフォリオサイトについて、作成した方がよいかの必要性、具体的な作り方のステップ、作成ツール、事例まで徹底解説します。
2023/4/28
公開日:2023/4/28
最終更新日:2023/4/28
クリエイターにとって自身の作品や実績をアピールするポートフォリオの作成は必須です。
しかし、中にはどのように作ればいいのかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、ポートフォリオの作り方について徹底解説します。
なお、ホームページ作成をご検討なら、Wepageをご検討ください。
ポートフォリオを簡単にいうと、自己紹介や自己PRとして使用する作品や実績を集めたものです。
過去にどのような仕事・実績を残したのかをポートフォリオにまとめて提出することで、クライアントや取引先に自身のスキル・経験を把握してもらいます。
イラストレーターやデザイナーといったクリエイターの方やフリーランスの方は、ポートフォリオをWeb上に作成しているケースも多いです。
ポートフォリオを作成する目的・役割は以下の通りです。
一から自己紹介をするよりも、ある程度まとまった資料を提出したほうが、相手にとって理解しやすいでしょう。
また、どのようなスタイルで、何の仕事ができるのかという点において、ポートフォリオは参考資料のような役割を果たします。
ポートフォリオは履歴書としても活用ができるので、一度作成してしまえば状況に応じて変更はするものの、転用することも可能です。
ポートフォリオの提出方法として、主に以下の3つがあげられます。
Web媒体の場合は、主にデザイナーやクリエイターなどのIT関連の業種の方にアピールしやすいです。
また、オンライン面接やWeb上で書類選考を実施している企業においても、Web媒体のポートフォリオは有効でしょう。
印刷する手間も省け、自身のSNSやブログにリンクを設置できる点も魅力です。
ただし、サーバーやドメインの取得費用、維持費用が発生する点やデバイスによってサイズが変わり、印象が薄くなってしまう可能性がある点はデメリットです。
紙媒体については、ネット環境がない状態で面接するシーンで活用できます。
また、使用する紙の種類やサイズによってインパクトを与えることができるため、作品の表現を工夫できる点がメリットです。
デメリットとしては、必要に応じて印刷をしなくてはならず、持ち運ぶ手間がある点でしょう。
電子メールにてやりとりをする場合には、ポートフォリオをPDFにしておくと便利です。
基本的にはWeb媒体でポートフォリオを作成しておき、必要に応じて紙媒体に印刷できるようPDFで保管しておくといいでしょう。
提出方法によって、ポートフォリオを作る際に準備をしなくてはいけません。
では、どのような準備が必要なのかを見ていきましょう。
Web媒体でポートフォリオを作る際に準備するものは以下の通りです。
・ドメイン
・サーバー
・ポートフォリオ作成サービス
Web上に公開する場合、必ずドメインとサーバーが必要になります。
また、HTMLやCSSなどの専門知識がない方はポートフォリオ作成サービスも検討しましょう。
ポートフォリオ作成に特化したサービスを駆使すれば、手軽かつ少ない労力で作成可能です。
もし、その他のコンテンツやブログを追加する予定があるなら、ホームページ作成サービスやCMSを利用しましょう。
紙媒体でポートフォリオを作成する場合に準備すべきものは以下の通りです。
・印刷用の紙
・クリアファイル
基本的には、ポートフォリオを印刷する紙と、保管しておくためのクリアファイルの準備が必要になります。
紙については材質やサイズによって、与えるインパクトが変わるため、作品に見合ったものを選びましょう。
PDF媒体のポートフォリオは、基本的に準備するものはありません。
ただし、データの容量については気をつけるべきでしょう。
容量が多いデータでファイルが重くなってしまうと、送った相手が開けない、あるいは開くのに時間がかかってしまう事態が起こりやすくなります。
開かないストレスによって、相手にマイナスな印象を与えしまいかねませんので、できるだけデータ容量は軽くできるよう工夫をしておきましょう。
相手に内容が伝わりやすいポートフォリオを作成するには、記載しておくべき必須項目を理解しなくてはいけません。
では、どのような項目が必要なのか、概要とともに見ていきましょう。
ポートフォリオサイトのトップページは、全てのユーザーが最初に見る部分であり、第一印象を決める項目です。
そのため、自身や制作する作品の魅力が伝わるアイキャッチやキャッチコピーを設定すべきでしょう。
例えば、あなたの代表作や自信作をファーストビューに掲載する、魅力の伝わるコンテンツを設置する、などです。
スライドショーやアニメーションを用いて、複数の作品や動きのある作品を見せる方法でもいいでしょう。
また、トップページでは自身の名前あるいはビジネスネームをわかりやすく記載しなくてはいけません。
魅力的な作品なのはわかっても、誰が作っているのかがわからないと、ユーザーとしては不安に感じてしまいます。
名前を掲載する際に、職種や肩書きがあれば一緒に載せておくのもポイントです。
例えば「Webデザイナー|田中太郎」「フロントエンジニア|鈴木一郎」といったように、区切り線を入れておくと見やすくなります。
最近では、トップページはシンプルにして、豊富なナビゲーションメニューを用意しているポートフォリオサイトも多いです。
グローバルメニューは、あなたや作品に興味を持った方が利用する目次的な機能なので、わかりやすい位置に設置しましょう。
自己紹介ページでは、あなたの経歴や活動履歴、仕事に対する熱意などをまとめるページです。
クライアントの中には、技術や実績だけでなく人柄を重視する方も少なくありません。
特に、あなたと同じ能力を持った2名のどちらかに依頼を考えている場合、人柄が伝わるポートフォリオのほうが魅力的に見えるでしょう。
自己紹介ページに記載すべき項目は、以下を参考にしてください。
ポートフォリオのメインとなるのが作品紹介です。
デザイナーやエンジニアなら制作した作品、ライターなら原稿や公開先サイトのURLを掲載しましょう。
また、作品や原稿には、どこまで担当したのか、どのような意図があるのか、何を用いたのかという細かな紹介を記載しておくと、見た人が把握しやすいです。
もし紹介文を詳しく掲載したいなら、作品になるまでのプロセスを掲載しておくと、企画力やアイデア力もアピールできます。
ページ数に関しては自由なものの、あまり多く掲載しても全て見る方は稀でしょう。
そのため、代表作や自信作についてはなるべく最初のページにくるように工夫するのが適切です。
また、ページ内に掲載する作品は1~2点ほどに抑えておくと、見やすくインパクトも与えやすくなります。
業種にもよりますが、ポートフォリオページは作品・実績の羅列ではなく、必ずデザインされたレイアウトを意識してください。
得意分野や制作スタイルが伝われば、クライアントにとってより適切な依頼が可能になるので、配慮という面でも掲載すべき項目です。
特に得意分野がクライアントとマッチングすれば、意思疎通がスムーズにでき、お互いに気持ちのいい取引ができるため、継続した依頼が期待できるでしょう。
制作スタイルに関しては、自身で把握しづらい部分があるかもしれません。
どのようなプロジェクトをこなしてきたかによって、おおよその制作スタイルが見えてくるはずです。
自身が保有しているスキルを具体的にあげておくのもポートフォリオには大切です。
資格を持っている、あるいは使いこなせるツールやプログラミング言語を箇条書きでまとめると見やすくなるでしょう。
具体的なスキルが明確になっていると、クライアントとのやりとりの工数を減らすこともできます。
また、本来依頼したい内容とは別の案件を持ちかけられる可能性も考えると、具体的なスキルは全て洗い出し、記載しておくべきでしょう。
自身がどのようになっていきたいのか、将来の方向性を記載しておくと、よりビジネスパーソンとしてのあなたをクライアントが理解できるでしょう。
方向性が一致している場合には、他の候補者と比べると有利になりますし、自身の個性や人柄を理解してもらうのにも役立ちます。
自身の中で明確に決まっていない場合は、これまでどのような心構えで仕事に取り組んできたかを記載するだけでも印象はプラスになるでしょう。
SNSや運営しているWebサイトがあるなら、掲載しておくのを忘れてはいけません。
ポートフォリオサイトに掲載していない作品や実績をSNSに載せている場合、評価の対象になるかもしれません。
クライアントによっては日々の投稿も選考の基準にする可能性もあります。
透明性という点では、SNSやWebサイトを見てもらい、自身がどのようなスタンスで運用しているのかを把握してもらいましょう。
また、この先依頼をする可能性のあるクライアントにとっては、SNSでフォローしておく、というのはごく自然な行動です。
可能性の種まきという点でも、ポートフォリオサイトにSNSやWebサイトのリンク設置はしておくことをおすすめします。
現在受注できるプロジェクトやタスクが把握できるサービス概要ページも必須項目です。
ポートフォリオを見て依頼をしたいと考えているクライアントが、コンタクトを取れるページだとイメージするとわかりやすいでしょう。
サービス概要ページで料金を掲載すべきかについては、明確な決まりはありません。
細かく料金が分けられるのであれば、料金を掲載したほうがクライアントも予算を計算しやすいでしょう。
依頼内容によって変動してしまう場合には、おおよその料金を提示するのも親切です。
できるだけクライアントが依頼しやすい配慮をしておきましょう。
聞きたいことや不明点について聞きたいユーザーのためにお問い合わせページも設置しましょう。
お問い合わせページを設置する際は、どのくらいの返信日数を要するのか、目安を記載しておくと、待つことのストレスをなるべく与えずに済みます。
せっかくポートフォリオを作るなら、十分に魅力が伝わるデザインにしたいと考えるはずです。
ここでは、ポートフォリオサイトの上手な作り方のポイントについて解説します。
ポートフォリオを作成する際は、必ずコンセプトを決めておきます。
ポートフォリオを提出する際には、面接する企業の業種や分野に合わせて掲載する作品や実績を選ばなくてはいけません。
そのためには、どのようなコンセプトで作品や実績を厳選するのか考える必要があります。
コンセプトを決めておくと、よりクライアントや企業に見てもらえる可能性が高くなるでしょう。
ポートフォリオを作成する際にやってしまいがちなのは、自分が魅力的だと思えるデザインで作ってしまう点です。
いくら魅力的だと思っても、アピールする相手は自分ではなく、見てくれる人や企業担当者です。
相手の目線に合わせて伝わりやすいデザインにする必要があります。
例えば、ファーストビューは誰しもが見る場所だから、興味を持ってもらえるような工夫を施す、あるいは代表作を掲載する、などです。
常にユーザーの導線を意識して、どのような配置にすれば作品を見てもらえるか、自身について理解してもらえるかを考えてデザインしましょう。
自身の作品が複数ある場合には、特に見て欲しい作品を厳選しなくてはいけません。
なぜなら、人によっては全ての作品に目を通す時間がない可能性があるからです。
そのため、見て欲しい作品の中でも、特に自身の魅力が伝わるものを厳選しましょう。
また、厳選した中でも優劣をつけ、最も見せたい作品を強調しておくのも忘れてはいけません。
強調された作品は注目を集めやすく、興味をもってもらえるはずです。
作品の厳選・強調を行い、うまくユーザーを惹きつけられる工夫をしていきましょう。
ポートフォリオに作品をただ掲載しているだけでは、100%の魅力を見た人に伝えられません。
そのため、作品ごとに説明文を加えて、よりわかりやすくしてあげましょう。
説明文では、
といった内容を掲載します。
熱意を伝えたい気持ちはわかりますが、あまり長すぎても読みづらさが目立ってしまいますので、200〜400字程度に納めましょう。
作品や実績を掲載する際は、ジャンル・カテゴリ分けしておくと見やすくなるのでおすすめです。
例えば、デザイナーであれば
のように分けておくといいでしょう。
もし、ひとつの分野でカテゴリを分けるなら
といった具合に細かくしておくと親切です。
ポートフォリオは作品がメインとはいえ、配置がずさんなら魅力は十分に伝えられません。
特にデザインに関する業種の場合、少しの配置の変化で美しさが変わるため、配置が意図とずれた状態で提出するのはNGな行為と捉えましょう。
紙媒体でポートフォリオを提出する場合は、紙のサイズを全て使うよりも余白を設けたほうが整って見えます。
ユーザーの目線を意識するのに通ずる部分がありますが、細かな配置にこだわってこそ、魅力を伝えられるので、意識したレイアウトを目指しましょう。
ポートフォリオは基本的にWeb媒体・紙媒体のどちらも用意しておくべきです。
履歴書を送付する場合にはWeb媒体、面接時には紙媒体のポートフォリオが求められるケースもあります。
また、どちらのポートフォリオも媒体に特有のレイアウトを意識しなければならないので、両方整えておく意味でもおすすめです。
Web媒体では整っていたが、紙媒体にしたらズレが生じていたにも関わらず、修正する時間がない、ということにならないよう事前に準備しましょう。
面接によっては、ポートフォリオを見てもらいながらプレゼンテーションをする場合もあります。
プレゼンが上手いほど好印象を与えることができ評価は高くなりますので、事前にプレゼンを意識した構成にしておくのもポイントのひとつです。
ポートフォリオに記載の説明文は簡潔にまとめてあるはずなので、補足として書ききれなかった部分を話せるようにしましょう。
もし、話す内容が見当たらない場合は、あえて説明文を削り、口頭で聞いてもらう箇所を作るのもいいかもしれません。
ポートフォリオを作る際に、注意したい部分がいくつかあります。
知らずに作ってしまうと、魅力を十分に伝えきれない可能性も出てくるので、ポートフォリオに取り入れてしまっていないかチェックしましょう。
説明文を書き慣れていないと、ついつい冗長な表現を用いてしまい、読む人に伝わりにくい文章になります。
まずは説明文の中で伝えたいことを端的に記載できているかを読み直し、わかりやすく無駄のない文章か確認しましょう。
自身の作品数が多数あるからといって、羅列しすぎてしまうのは逆効果になる場合もあります。
作品が羅列されていても、見てもらえるのは多くても2~3点でしょう。
ポートフォリオとはいえ、全ての作品ではなく自身の能力や価値を理解してもらえるものを厳選する必要があります。
作品数の少なさを気にするのではなく、クオリティを意識したポートフォリオを制作しましょう。
あなたの作品・実績だとしても、企業やクライアントとの契約で作られた成果物の場合は、著作権に注意しなくてはいけません。
多くの場合、著作権は企業やクライアント側に譲渡されているため、無断掲載をすると思わぬトラブルに発展する可能性があります。
企業・クライアントとの契約で制作した作品・実績をポートフォリオに掲載する際は、必ず許可をもらうようにしましょう。
企業やクライアントの契約で制作した作品・実績の中には、情報漏洩や秘密保持のリスクに関わるものもあるかもしれません。
もし、情報漏洩が起こってしまった場合には、信用を失ってしまうだけでなく、損害賠償を支払わなくてはならない可能性もあります。
必ず掲載許可を得るだけ得なく、万が一のことを考えて
といったリスク管理を徹底しておきましょう。
今回は、ポートフォリオの作り方について、必須項目や上手く作るためのポイントについて解説しました。
ポートフォリオはWeb媒体・紙媒体・PDF媒体で用意しておき、どのシーンでも活用できるようにすべきです。
ぜひ、あなたの魅力が十分に伝わるポートフォリオを作成し、ビジネスシーンに役立ててください。